古都より

谷崎唐草は京都にやってきました。

Iさんの思い出

今週のお題「告白します」

とは言ったものの、別に告白という雰囲気じゃない。告白というより、むしろ言いたい、言わなきゃ苦しいし、書くことで少しでもこの感傷みたいなものを床に置いて、自分にとって必要なものを、本当に手に入れたいものを掴み取れると思うから。

Iさんが好きだった。小さい頃から憧れの人はIさんだった。彼女のような女性になりたいと思った。戦闘的で、文化的で、声がでかくて、喧嘩っ早くて、警察にも街宣車にも掴みかかってくような、でも知的で、すごく長い間考えて本質的なことを言うIさんが好きだった。私をかわいがってくれた。少しでも長く一緒にいたいと思った。父親のタバコは嫌いでも、Iさんの吸うタバコは好きだった。姐御肌で、芸術的で、肩にトカゲをのっけて歩くようなかっこいい彼女になりたくてしょうがなかった。他の誰よりもIさんに言われる言葉が一番好きだったし一番突き刺さった。Iさんを思い出させる人が好き。話し方、雰囲気、挙動、その他諸々が似ている人が。Iさんを知っている人と彼女の話をしてる時が幸せ。酒に強くて、ハッタリが効いて、絵が上手くて、お洒落な彼女の思い出話をすることが。

これでひとまず気が済んだと思う。もうこんなIさんには会えない。というかこれは私の妄想の中の彼女だから。彼女に正面から向き合えた時、他の人にも正面から向き合える。逆もまた然り。次会うときはもう、理想の女性像ではない。というか理想像とか、女性像とか、そういうもの全部、きっと彼女は気持ち悪いと思うだろう。私も、親友の娘というなんだか潔癖な都合のいいイデアとしてではなく、人対人として再会したい。喧嘩別れというか、私が傷つけてしまったあの時から、彼女の精神状態がとても不安だ。でも会ったらそのこともきちんと話したい。またIさんに会いたい。